日本硝子工業株式会社 法人のお客様
放射線遮断試験
試験方法:床から 1mの高さで、線源と検出器間を 50cm話して、その間に試料がない場合とある場合についてそれぞれ 10 回の測定を行って遮へい率を求めた。
線 源:コバルト 60 40MBq(平成18 年4 月1 日現在)
測 定 器:シーベルトメーター アロカ製
測定結果
試験体
ブロック体A:「線量率(μSv/時) 21.5」「遮へい率(%) 47」
ブロック体B:「線量率(μSv/時) 19.6」「遮へい率(%) 52」
ブロック体A:「線量率(μSv/時) 22.2」「遮へい率(%) 45」
※ 但し、試料のない時の線量率は、40.7μSv/時である。
※ 遮へい率は、(1-試料有/試料無)×100 より求めた。
ソイル(※バインダー)に約 20μm 以下の鉛粉末状のものを重量比で約20%~50%混合したものを型枠内に流し込み(厚みは遮蔽率に応じて選定する)壁面・天井部・床部を遮蔽体にする。
機械入れ替え等に応じて型枠を設置して流し込むか、吹き付けにより厚みを増す事が出来ます。
・通常の放射遮断物に比べ鉛を配合できる割合が変えられる。
・放射性液体廃棄物をソイルと固化反応させた場合、流失を抑制し同時に配合する鉛粉末状によって遮断することが出来る。
・従来の大掛かりな施工より簡易に施工することが出来る。
・原料に天然材料である山砂を主成分とした素材を使用している為、過度な劣化を防ぎ長期保存が可能である。
・コンクリート壁を使用するより厚みが薄くてすむ。(20cm~30cm 程度)
原子力発電所における洗濯水など液状で低レベルの放射能を有する放射性廃棄物をいい、従来、該放射性液体廃棄物の処理方法はコンクリートピット処分方法や埋立等が一般的に採用されています。
具体的には、コンクリートピット処分法は該放射性液体廃棄物を高分子吸収材に浸み込ませたり、あるいはセメントやアスファルト等で固化して、鋼製ドラム缶に詰め、その数個を一箇所にまとめコンクリートの塊として密閉処分する方法があります。放射性廃棄物の処理方法の一例として「セメントを用いて固化体とした放射性金属廃棄物をドラム缶内に封鎖し、ドラム缶がひび割れする事を抑える」方法が提案されているが、当該処理方法では、長期に至っては次第にドラム缶にひび割れが発生してしまい、放射性廃棄物の永久的な処理剤あるいは処理方法になり得ないものとなっています。
一方、鉛が放射線の遮蔽材料であることは知られ、例えば粒状鉛を型枠内に入れ、その型枠内に放射性廃棄物を投入した後、コンクリートを流し込んで固める方法が知られています。しかし、この方法では、下方にのみ鉛の層ができ、放射能の遮蔽効果をあげるには鉛の層の厚さを相当程度にまで増さなければならず、後にひび割れ等が発生して漏洩が起こる原因となっています。日本では上記の様な廃棄物処理方法が用いられていますが各工法で様々な問題点があるようです。
弊社工法は液体廃棄物を固化すると共にその周辺に一定粒度以下の鉛を分散させて放射能を遮蔽する組成混合物と、同様に液体廃棄物を吸着して放射能を遮蔽するブロック体と、それらを組み合わせたボックス体及びその処理方法です。
放射性液体廃棄物処理用組成混合物は、そこに放射性物質を含んだ液体廃棄物が投入されると、ノニオン系界面活性剤によって分散された固化材を含む組成物が廃棄物の水と反応を起こし、放射性物質を含んだ状態でそのまま固化されます。炭が比較的高密度に充填された 20μm以下の鉛が分散されているので、廃棄物から放たれる放射能を取り囲んで遮蔽し、外部に漏洩することがありません。
組成混合物の周囲にブロック体を積み重ねてボックス体を形成すると、万が一上記組成混合物から漏れ出た液体廃棄物が接触しても、当該ボックス体は山砂等を含んで多孔質を有するボックス体に形成されているので、その孔内吸着されます。そして、上記組成混合物と同様そこには比較的高密度に充填された 20μm以下の鉛が分散されているので、放たれる放射能を取り囲んで遮蔽し、更に漏洩を防止する事が可能です。
即ち上記の如く、ブロック体を積層して一定容積を備えたボックス体を形成し、該ボックス体内に組成混合物を充填した構造物を形成しているので、そこに該構造体内に放射性物質を含んだ液体廃棄物を投入し、該廃棄物に含まれる水分と上記組成混合物とを反応させて放射能物質を含んだ状態で固化を促すことが出来ます。次いで、上記固化後に一部の液体廃棄物が漏出することがあっても、上記ブロック体の多孔質部分が該液体廃棄物を吸着させる事ができます。そして、上記組成物と同様そこには比較的高密度に充填された 20μm以下の鉛が分散されているので、放たれる放射能を取り囲んで遮蔽し、更に漏洩を防止する事ができます。